第23回 「マサイのやぎをいただき、羊飼いの歌声をエチオピアで聴く」
講演日:2005年8月11日
講演者:羽後結氏
今回の学習会は、羽後結さんを講師にお招きしました。
羽後さんは、大学を終え、春から3ヶ月間に渡ってケニア・エチオピアを旅されました。
ナイロビ、カカメガ、イシヨロからモヤレまでのバス路...。
今回は、羽後さんがご用意下さった旅の様々な写真から、私たちがそれを選び、その時のエピソードをお話してもらう、という参加型ワークショップの形で行いました。
羽後さんは、以下の数あるトピック、そして写真の中から私たちが選んだ、「真紀さんとジャクソンさんの結婚式」と、「バナナとコインの交換」のエピソードを中心に、その時の様子や気持ちを思い返す様に、丁寧にお話して下さいました。
ケニア:
・真紀さんとジャクソンさんの結婚式「彼は聞く耳を持つ人」
・マサイ村でのエコツアー「山羊をいただく」
・青年海外協力隊の友達の奮闘「村民の期待」
・ナイロビ・キコンバーのスラム 少女達の詩「give me human rights」
エチオピア:
・国境の町モヤレ
・緑豊かな南、体を飾るハマルの人々
・ハマルのイス、お金はどこに回る?
・首都アディスアベバのアーティスト
・北の山、羊飼いの歌声
・白鳥さんのアフリカ理解プロジェクト 「アフリカはおしゃれ♪」
エピソード「真紀さんとジャクソンさんの結婚式」
羽後さんは、福岡県出身の永松真紀さんがマサイのジャクソンさんの第二夫人として結婚されたときの様子を、写真とともにお話してくださいました。
結婚式は、マサイマラから10km離れたキチョワテンボロッジという場所で行われたそうです。
エコツアーによって、変化しなければならないマサイの生活と、同時にマサイの伝統を大切にしたいという真紀さんの想いが、二人を徐々に変化させてゆきました。
真紀さんの言うことに聞く耳を持ち、それを受け入れるというジャクソンさんの魅力が、結婚の理由になったといいます。
マサイでは、女性の地位は高くなく、女性は自己主張をあまりしないそうです。
結婚するまでは可愛がられるが、結婚すると、重労働をしたり遠くの村までお金を稼ぎに行ったりするのが女性の役割になるといいます。
一人ひとりの人々にとって、「どの様な生き方が自分にとってしあわせか」ということを判断することは、難しいことです。
まして、「何が人にとってのしあわせか」を判断するのは、もっと難しいことではないでしょうか。
例えばエコツアーなど、マサイが受ける外界からの影響も、良いか悪いかを判断するのは難しいことだと、羽後さんはおっしゃいました。
エピソード「山羊をいただく」
羽後さんは、マサイマラで解体した直後の山羊をいただき、血を飲んだというお話をして下さり、私たちは衝撃とともに、同じ動物の命をいただくという尊さ、貴重さを受け止め、マサイの人々がどれだけ動物を神聖なものとして扱っているかを、日本にいながらほんの少し、感じることができました。
「大切な山羊をいただくことで、命が次の命へと繋がっていく」とおっしゃる、羽後さんの言葉が忘れられません。
エピソード「エチオピアで」
羽後さんはエチオピアまで、バスに乗って行かれました。
その岐路、ハマルという小さな村に住む人々との慣れない出会いに、戸惑いを感じたといいます。
また、広場で羽後さんのバナナを「これをくれ」という男性に、「じゃあコインを頂戴よ」と言ってバナナとコインを交換した羽後さんはそのとき、街の小さな経済に参加した気分になり嬉しくなったといいます。
けれどやはり、写真を撮られることに抵抗を感じる人も多くおり、「写真を撮るならお金を払え」と言われることも、少なくなかったといいます。
そんなときに村で撮ったという、一枚のニワトリの写真。
この写真もまた、そのときの気持ちがすごくよく表れている気がしました。
−土地を移動することに意味がある。
そこにいる人々の生活、風景を見たいんです。−
目を輝かせながら語る、羽後 結さんの言葉の一つ一つが、本当に印象的に残る学習会でした。
これからも、私たちは彼女の写真を見ていきたいと思っています。
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